チームカルテ1 塾と野球の両立、私学でもJボーイズは入れますか?

学力と塾考

 私は「智力」と野球の上達は関係あるとの持論を持っています。もちろん、スポーツですから、運動能力は絶対的に必要です。
 野球は、「間」のスポーツと言われています。この神が与えてくれた「間」を利用して、考える時間があり、過去の出来事を思い出したり、傾向と対策をたてたり、投手であれば打者の癖や好きなコースを記憶していたり、打者ではピッチャーの攻め方を思い出したりと場面場面での展開について学習する能力が必要だと言えます。

 また、一流になればなるほど頭の能力が必要になってくると考えています。実際、プロで活躍を続ける選手は、勉強は野球ばっかりしていたので、テストはできなくても、もともと頭はよいのだと思います。例外は、なみ離れた技術と基礎体力の持ち主だと思います。
 ですから、当チームでは「野球バカ」には、させたくないとの思いから、勉強をしなさいと指導しています。実際、高校入学では、最低でも実力テストで200点あれば、選択肢が広がっていきます。

 そういう方針をホームページで掲載しているからか、Jボーイズには、何らかの塾に通わせる家庭がほとんどです。昨年度で塾に行っていなかったのは、キャプテン田端、佐野、大泉の両副キャプテンだけではなかったでしょうか?
 
 ただ、塾に通わせたから学力が上がるというものではないことだけは確かです。本人のやる気がないのに塾に行かせても効果は期待できませんが、親御さんとしては、それでも家にいたら勉強をしないので行かせているのではないでしょうか?
 
 これも野球と一緒でグランドに来ない日は自主練習をしないのと似ており、本人のやる気がいつ出てくるかが勝負の分かれ目ですよね。
 実際、年明けのスタートは、いきなりスタートダッシュを切るので、覚悟して休みの間にランニングや素振りをしなさいと言ってましたが、していなかった選手が大半で、ロードワーク2日目でバタバタと故障者や肉離れしたものが多くいましたよね。
 とある中学部の代表が言ってましたが、「中学生に自覚を持てと言っても無駄ですよ。中学生には自覚はない、だから、強制的にやらすしかない」と。
 私たちは違う観点ですね。こちらがやる気に火をつけたとしても、他人からつけられたのは、すぐに消えるので、やはり、自覚を自らが持ってほしいと気を長くしていつまででも待っています。高校生以降でもいいじゃないですか、私たちの言っていることがわかるようになってくれたら、だから、あきらめずに、指導しているのです。

塾に通ってもOK。ただし、現場は???  

 話が脱線しました。もとにもどしましょう。Jボーイズでは塾を禁止していません。それよりも、よく塾の試験で休ませてくださいという連絡で、練習や練習試合を休む選手もいます。
 チーム方針としては、塾はOKです。塾に行くと怒られるチームもあると聞きますが、Jボーイズでは怒りませんね。本人の自覚だからです。(実際には、親の意見だと思いますが、時には、選手が塾の試験に行きたい勉強熱心な子どももいます)

 ただ、現場としては、非常に困ります。方針はOKですが、例えばレギュラーにしたい選手がいたとして、試合前の練習や練習試合に抜けられると、判断材料を失うことにもなり、また、準レギュラークラスの他の選手へも示しがつかないというか、現場の指導者としてはとても困っているのも事実です。
 大会前の練習試合に塾で休まれたら、作戦を試すこともできないし、大会でレギュラー選手として、使うことやサインを出すことにためらいます。試合のテストをしていないからです。

 そんなことを言っていも、仕方がないので監督は大変苦労してチーム作りをしています。親御さんも選手もできたら、土曜と日曜日は、塾の時間をずらしていただきたいのが、実は、私の本音です。
 はじめに述べたように、塾に行っても成績が上がるとは限りません。進学を決定する試験とかであればわかりますが、普段の平日に塾の時間を当てていただければ、嬉しいですね。

 でも、だからと言って、塾をやめなさいとは言わないのが、私たちJボーイズの方針です。あとは、練習に来てない分、とにかく、普段を含め、練習に来た時はモチベーションを高めて練習に集中してほしいものです。

 私学でもOKです。Jボーイズなら。 やはり、モチベーションが大切

 私学に通っていても大丈夫ですか?と去年、ある1年生の父が相談と見学にJボーイズを訪れました。野球は、超ヘタデスヨ。とも付け加えて。
 私学では土曜日が学校だから、日曜日しかこれないことについて、 私は、チームとしては問題ないですよ。ただし、練習量が半分になるのだから、人より上達が遅れる場合、本人のモチベーションが問題ですよ。モチベーションが下がらないのであれば、チームとしては入部は問題ないですよ。と答えました。

 実際、それからすぐに将希が入ってきました。バッティングはよいのですが、守備と投げ方が全くできていなかったので、練習量が問題だと思いました。それでも、練習に来たときは毎回楽しそうで、人一倍真剣に、集中力をもって取り組んできました。秋の練習試合でたまたま、1年生だけ試合をした時のこと、私はその試合、将希をエラーしても使い続けました。足が速いので盗塁も悠々セーフ。でも、試合慣れはしていなかったのです。だから、使い続けました。

 秋には、同じ私学に通う、敦貴(アキ)が入ってきました。この時も、親御さんにモチベーションがのことだけを話して、すぐにチームに入部していただきました。

 二人とも練習量の少なさをカバーするように日曜日の練習は集中力をもってとりくみ、新チームのレギュラーを虎視眈々と狙っています。よく目立つ選手になってきています。
 それと二人とも頭がよいのです。天性のものでしょうが、天性だけではやがて、中途半端になるのは私の話をすればわかります。やはり、努力したものが、野球でも勉学でも勝ち残るのです。この辺は、また、別の稿を起こして私の体験談も含め「智力」について述べたいと思います。

 今、私学の二人をとりあげましたが、たまたまWhat's Newで取り上げたからです。今年の新2年は、この二人だけでなく、同じく報知新聞に載った二人を含めて塾に行っても、来たときは真剣に野球に取り組み、学校の成績も野球も素晴らしいものを持っていますよ。

 現場の苦悩もありますが、塾に行こうが私学に行こうがJボーイズは入部できます。ただし、本人の努力とモチベーションが必ず必要です。