チームカルテbQ 進路について

うれしい知らせ 初年度にして100% みんなよく頑張りました。

 2010年3月16日、本日、西田君が鳥取県立中央育英高校に合格とのうれしい知らせを聞きました。

 これで今年の3年生はすべて進路が決定しました。Jボーイズにとって今年が本格的な進路指導と受験でした。すべての選手が志望高校に合格するという100%の成果となりました。以下、今年度の進路状況です。
 
 大泉草太[香川西]  坂本耕太[此花学院]  佐野遼平[上宮]  田端大暉[阪南大]  中村龍至[生野工業]

 西田拓未[鳥取中央育英]  東勇斗[大商大堺]  町田賢哉[初芝橋本]
   (五十音順)

 スポーツ推薦とその扱いは5名で、私学専願が6名、併願が2名でした。

 みんなよく頑張ったと思います。しかし、偶然が重なったというかよく志望校どおりに入学できることになったと思っています。言いかえれば、今年はうまく行き過ぎでした。というのも、実は、8人全員が公立志望ということで今年は進路指導が必要ないと思っていました。訳あって、ほとんどの選手が2学期の中ごろ、10月〜11月、遅い選手では、1月に進路を軌道修正して私学に志望校を変更してきました。

 そんな急な変更にも関わらず、スポーツ推薦の受け入れも次々と決まったのです。本当にご紹介していただいた皆様には感謝していますし、選手にとってはラッキー、強運だったとしか言いようがありません。それぞれのがんばりと保護者を含めた決断も欠かせなかったと思います。
ちょっと進路をまちがっていたりすれば、全員志望校に行けなくなってしまったかもしれません。ゾーッとしますね。落ちたことを考えたら。
 このような教訓を生かして、今年は、年明け早々に2年生に対して進路指導を始めました。以下、進路について考えてみます。

進路に対する私の考え
 
 まず、進路についての私なりの考え方を述べます。基本は学力で進路が決まると考えています。理由は以下、述べます。

 テストの点数が5教科300点代の子どもは野球を本格的にしたいのなら桜の宮のスポーツ学科などを受験してほしいと思います。それより点数が低くなってくると選手には、近くの公立高校か大阪の私学を勧めます。著しく点数が低い場合は、公立もあるのですが、野球をしたいという理由で、私学専願か県外(=府外)に絞られてきます。

県外ですが、やはり、寮生活や慣れない環境で耐えうる選手でないと紹介はできません。他のボーイズでは、県外への進路指導をしていると聞きましたが、私たちJボーイズの指導者が信用できる監督や先輩などがいないところには、私としては預けにくいと考えています。寮生活での不祥事もまだまだたくさん起こっていますから、知りあいがいない学校には、よほど精神力のある子どもでないと送りだすことは考えていません。

 また、5教科で400点以上とれる選手は無理に強豪高校・有名私学に行くことはないと考えています。スポーツ推薦よりも、三国が丘、鳳、清教高校などを勧めます。というのも、学力があるので野球と勉強の両立を目指してほしいのです。大学でも野球をやりたいのであれば、学力で早稲田、立教などの六大学を受験してほしいと思います。(鳳ではしんどいのかな?)

 甲子園に行く私学強豪高校からでも六大学や関関同立に野球で行ける選手は少ないのです。私のあこがれでもあり、高校の野球部の先輩にいましたので六大学の野球部員は、それはそれは、かっこよかった、あこがれの先輩たちです。頭もよかったですよ、彼らは。
 数少ない話ですが、小宮山投手(ロッテ→横浜→メッツ→ロッテ)、石井浩郎選手(近鉄→巨人→ロッテ→横浜)が早稲田大学の学力入試組でしたがプロでも活躍しました。

 
最近の受験事情 なぜ、県外か 学力を要求する大阪 

 他府県に比べ大阪や兵庫のボーイズから県外に行く選手は多いのです。その理由は、@大阪では甲子園に出にくいA県外は甲子園にでやすいB県外、とくに過疎の町では選手を集めにくくボーイズ経験者は即戦力Cつまり、特待生制度やスポーツ経済優遇制度などで、大阪の私学に比べても学費などの経費負担が少なくなるなどが主な原因と考えています。

 それと、大阪はボーイズやシニア、ヤングなど中学硬式野球が盛んな地域であり、素晴らしいプレーヤーがたくさんおり、さらに府外枠も設けているところもあり、大阪の強豪校は、比較的選手を集めやすいのです。選手がたくさんいるということは、大阪の学校は良い選手を集めやすくなり、付加価値として、基礎体力、技術+αとして、最近は学力を要求する学校が多いのです。
具体的に言うと、実力テストで150点(中間期末180〜200点)では行ける高校は限られてきます。しかし、ボーイズリーガーたちは、野球中心の生活でどうしても勉強をすることができない、または、しない子どもが多くいますので実力テスト150点前後、それ以下の選手もいます。ということで、大阪での進学をあきらめて地方に行く子どもも多いと聞きます。

 大阪の私学に行く場合、実力テスト200〜250点(中間期末250〜300点)になると選択枝が一気に増えてきます。

 なぜ、大阪の私学が学力を要求するようになったのかは、先に述べた選手層が厚いことに加え、近代野球はサイン一つにしても複雑化しており、それなりの智力も必要と言うことが分かってきたからではないでしょうか?教え方も考え方も科学化・高度化しています。そうでないと勝ち進んで行けないのです。

 昔の教えはスパルタで鉄拳制裁でした。今はそれが表向きには禁止されており、言葉で諭してもなかなか野球を覚えてくれない、一方、頭のよい選手は物覚えが早くて教えやすいのでしょう。もっとも、体力的な裏づけがないとだめで「ガリ勉君」では高校野球では難しいと思います。

 あと、ある高校で最近聞いた話では、学力の低い選手が集まってくると不祥事の確立が増え、その度に対外試合禁止などで甲子園に行けなくなる確率も高くなるから、ある程度の学力を要求するという話でした。いずれにしても、大阪では、それなりの学力がないと私学も取ってくれないという現状には変わりありません。


大阪のスポーツ推薦

 学力がなくても野球がそれなりに上手であれば、スポーツ推薦で行くことも出来ます。いわゆるスポーツセレクションなどです。もちろん、学力があってもスポーツ推薦で行く子どももいますが後で述べるリスクがあるので勧めたくはありません。なぜならば、スポーツ推薦のある学校は、野球部が強化指定クラブになっていたり、体育学科・スポーツ科と呼ばれるクラスに所属し、野球部を辞めたら学校も辞めなければなりません。

 そういうスポーツ推薦のある学校では、普通科からも野球部には入れるのですが、カリキュラムが違うのでスポーツ科の選手よりも練習時間が短くなります。スポーツ科では授業の中に野球があり実質練習ができたりするので、普通科からは中々ベンチ登録もしてくれないということが多いのです。そのかわりクラブを辞めても学校を辞めなくていいのでつぶしがききます。実際、スポーツ推薦の子どもたちで学校を辞めた選手もいます。
 ですから、その辺は慎重に進路指導していきたいのです。

私学か公立か
 あと、少ない経験でいえば、不況の中でJボーイズで言えば、最初はほぼ、全員、公立高校を志望しています。しかし、公立高校はテストがよくても内申が大きく作用します。1学期と2学期の成績でほぼ内申と志望校選びを左右されます。
 私学専願で言えば、9月と11月の実力テストの点で決まります。私学専願の試験当日の一発逆転はありません。

 最初は公立に行くと志望していたのがなぜ、私学に行くことになっていくのか?それは、公立で言えば、傾向として学力が高くないところの野球部は試合内容から野球に不熱心ではないかと思われる傾向にあります。また、野球部がない学校も多くあります。
 そういうことから、せっかく、中学でボーイズリーグに入ったのに、そんな高校に行くぐらいなら私学へという気持ちも大きく働くのです。

その子にあった進路指導を
 いずれにしても、Jボーイズではその選手に一番あったところを推薦したいと思っています。まず、私学か公立か、それとも県外か。親御さんの考え方も聞きながら進路指導をしています。私学であれば、私や植村監督、水野コーチなどの知り合いをフルにあたり、情報を集め、学校を紹介していただいたりして、進路指導にあたっています。

 今年は、昨年の経験を活かして早め早めに進路指導を行う予定です。6月の中間テストで、選手には大枠を決めてもらうようにして、とくに私学や県外は早く決定していきたいと思います。

 最終的には選手の頑張りにかかっています。少しでも私たちが役に立てることがあれば、これからも頑張っている子どもたちを応援していきたいと思います。