トレーニング論bP. トレーニング論との出会いと変遷 序章
はじめに トレーニング論の前に前提を確認してください。
トレーニング論を展開する前に、その前提があります。一見、トレーニングについては、基本はすべて同じだと思われがちですが、その中身と思想、そして、同じように見えても目的によって、そのトレーニングは変わります。
何が言いたいのかは、トレーニングには、100%の完璧なものは存在しません。その人の体型、身体の柔軟性、競技、年齢などすべて人によって、トレーニングの方法も目的もそして、何より持続できるかによって全然違ってきます。
ですから、前提としていただきたいのは、私がこれから述べるトレーニング論については、絶対的なものでもなく、また、チームで選手に押し付けているものでもなく、人によってその人に合うトレーニングと方法があるということです。
ただ、これまで野球界で信じられていたトレーニングと従来の方法論は、本当に正しいのか?間違いはないのか、常に新しいトレーニング理論が出てきている今日、それらを検証して、どれがベターなのかは常に考えていかねばならないことだと思います。
本当に、目からうろこが落るような発見やトレーニング理論、そして、コーチングがあることを紹介しながら、一石を投じられたらという思いで連載していきたいと思います。
ですから、読者の皆さま、ともに考え、検証してありうべきトレーニングとは何かを考える参考にしていただきたいと思います。これから解説していく理論書などはあくまでも私の趣味と私の感覚に合ったものであり、それは違うはという人が何人もあっていいと思います。私自身、立花氏に始まって、今はワールドウィング主宰の小山先生の初動負荷理論がバイブルとなっています。
では、今回は序章と言うことで、私にトレーニング論をかんがえさせるきっかけになったことを紹介しましょう。
トレーニング論との出会い インナーマッスル
私は、Jボーイズの前身の堺南ジャガースの小学部の保護者コーチをしていました。私の息子は、とにかく身体能力の低い子どもでした。また、当時の弱小堺南ジャガーズの子どもたちは、ひいき目にも手も他のチームの子どもたちに比べ身体能力が圧倒的に劣っていました。俊敏性がないこどもがほとんどでした。
そんな状況で、常に相手チームからは1勝をプレゼントする大会主催者にとって嬉しい相手でした。その頃、私たちはちょうど過渡期で監督も仕事などで出て来れない日が続き、馴れないコーチ業はとっても大変の連続でした。
保護者でのお酒の席に、現事務局長の谷口コーチが、1本のむビデオを持ってきました。それがほ、私の初めてのトレーニング論との出会いになりました。
それは、立花龍司氏の小学生のトレーニング用に分かりやすく作ったビデオでした。その中でインナーマッスルなるものを始めて聞きました。今でも一般書を読み漁っていましたが、立花氏のビデオはまさに実践タイプだったのでした。
ジュニアのためのベースボールコンディショニング(立花龍司著)
インナーマッスルとは、今では誰もが知っているトレーニングのイロハとなっています。しかし、そのトレーニングは実際にやってみると全然面白くもなく、目に見えて劇的に身体能力が変わるものではないことはやってみればわかります。しかし、肘、肩に怪我なくしようと思えば、非常に大切な筋肉群です。
当時の小学部のコーチをするにあたって、参考にしたのは、立花氏著の「ジュニアのためのベースボールコンディショニング」(日刊スポーツ出版社)の実践トレーニングです。ラダーを買って、小さい子どもたちに勧めました。あと、ストレッチです。この本との出会いは本当に私の心に感銘を与えました。
考え方が私の気持ちにぴったり合ったのでした。
本の内容と考え方については、次回にしたいと思います。